民間の医療保険は必要か?

皆さま、こんにちは。


先週、お客様から民間の医療保険を解約した、あるいは不要だといったお話をいくつか耳にしました。


普段から生命保険を販売している私たちの立場からすると、「そんなことはないです、必要ですよ」と思わず口にしてしまいそうですが、どうやら保険に加入されるお客様の購買心理も一昔前と比べると少しづつ変化しているように思われます。


では、なぜ「必要ない」と思われる方が少しづつ増えているのでしょうか?
(※ここでいう「増えている」というのは、私がお客様宅に訪問し、保険に関する会話から得られた感覚です。基本的に週に10~20人くらいの方とお会いしています。)


大きな要因の一つに、「お金」に対する意識の変化があるのではないかと感じています。2019年に「老後2,000万円問題」が国会で取り沙汰されて以降、早いうちから計画的な資産形成の必要性が様々なメディアで取り上げられるようになりました。


老後資金に対する備えとしてiDeCoや積立NISAなどの活用が改めて注目されるようになり、一方で物価の上昇や伸び悩む所得に対する不安など、現在の家計の見直しの観点から「家計の極力支出を抑えたいという消費者心理の表れでもあると思います。


最近では「お金」に関する図書や雑誌、ブログ、YOUTUBEなどあらゆる情報媒体で“保険は最小限に”という言葉を良く見かけるようになりました。


一昔前の「もしも」「万が一」という不安より、自分たちの将来の生活に対する不安の方が勝っているのかも知れません。事故や病気などで入院された経験の無い方は、ひょっとすると一体何のために月々数千円の掛け捨ての保険に入っているのだろう?と、疑問に思うのも無理はありません。


また、そのような保険にそもそも入ろうと思わない、という方も増えているのかも知れません。


現に私も、45年間ケガや病気で一度も入院したことがなく、保険の仕事をして17年間掛け捨ての医療保険を払い続けています。


その一方で、私は老後資金の準備のために、iDeCoや積立NISAも活用しています。


では、なぜ私は医療保険に加入しているのでしょうか?


それは、私はこの保険に「価値がある」と感じているからです。


掛け捨てと分かっていても、ケガや病気で入院する際にはお金の心配をせずに家族との面会や治療に専念できる快適な個室を選びたいですし、預貯金を取り崩したくないからです。これは、お金に対する考え方によっては「非効率だ」と感じられる方もおられるかもしれません。でも、私の価値観は、病気の際には「医療保険が頼りになる」と考えており、お金の不安を保険会社に預けているのです。


また、最近では各保険会社から、少額の保険料で先進医療や自由診療など多額の治療にも備えられる特約なども販売されています。


私はいつも、治療方法を選ぶ「選択肢がある」ことが重要だと感じています。「少ない掛け金で、大きな保障(補償)が得られる」のが保険の本来の役割で基本的な考え方ですから、この視点での保険選びは大変重要になってくると思います。


この考え方は、医療保険だけでなく、自動車保険や火災保険などの損害保険の選び方でも応用できます。


その保険が、本当に必要か否か。


その答えは、お客様の「お金や保険に対する価値観」にあります。


私たち安心コンサルは保険代理店として、“お客様の購買代理である”という立場であることも忘れず、お客様の価値観に沿って、常に正しい知識と新鮮な情報をお届けしていきたいと考えています。(加賀山望)